菊芋(キクイモ)をおいしく作る栽培方法
最近は健康志向の方や糖尿病の方を中心に菊芋を栽培してみたいとお問い合わせをいただくようになりました。
普段からスーパーではなじみのない菊芋も実は自分で栽培が可能なのです。
菊芋はそもそも生命力と繁殖力がとても強いため、あまり手間がかからず、栽培する場所さえあれば個人でも作れます。
スーパーではまったくと言っていいほどみかけない菊芋を自宅で栽培することができたら料理の幅が広がりますし、家族を健康野菜でさらに気遣うことができますよね。
これからイヌリン豊富なおいしい菊芋の栽培方法についてお伝えしていきます。
菊芋を植える最適な季節は?
菊芋を植えるのに適した季節は冬から春にかけてです。
4月前後に植えられることが多く、寒い地域では5月から6月上旬にかけて植えられます。
また、そこまで寒くない地域では少し早めの2月から3月に植えられることも。
菊芋は元々、北米が原産で寒冷地でよく育つ作物のため、暑い地域では育っても塊茎の肥大は劣る傾向にあります。
日本では全国で育てられるので個人での栽培なら地域差を考える必要はあまりありませんが、沖縄や離島などの一部の地域で年間最低気温が17度を下回らない場合は菊芋が大きく育ちにくいので収穫ができない可能性があるでしょう。
準備する道具
菊芋を植える際にいくつか準備するものがあります。
必ず必要なものは
- 土地(プランター)
- 野菜用の培養土(プランター栽培の場合)
- 種芋(苗)
以上の3つです。
菊芋の種イモはまれにガーデニングショップで販売されていることがあります。しかし、あまり一般的な作物ではないので自宅近くのお店では買えないことも。通販なら1kgあたり1000円以下で販売されているので、菊芋の販売店が近くにない場合はネットでご購入下さい。様々な業者が種芋を販売しているので、お気に入りのお店や信頼できそうなお店から買うのがオススメです。
土地や畑をお持ちなら地面で菊芋を育てても構いません。土地を持っていない方が大半かと思いますので、自宅の庭やベランダで育てる際はプランターを準備しましょう。菊芋は大きく育つので小さなプランターだと不十分です。菊芋を育てるなら50型以上のプランターをご準備ください。最低でも40型はほしいところです。なお、菊芋は3mほどまで育つため、ベランダがあまり広くない方は一度にたくさん育てない方がよいでしょう。
プランターで栽培する際の土は野菜用の培養土で構いません。 なお菊芋に肥料はほとんど必要ありませんが、元肥を少量加えると育ちがよくなります。
菊芋の栽培方法
菊芋は乾燥に強く湿気を嫌うため、水やりを積極的にする必要はありません。土が乾いているかを確認してから水をやってください。なお、屋外で栽培している方は自分で水やりをせず、天候に任せておいて構いません。
基本的には1つのプランターに1株の菊芋を植えましょう。 菊芋はとてもよく育つため、1つのプランターに複数植えたり、狭い間隔で植えてしまうと葉や茎が収穫・手入れの邪魔になります。
もし屋外の地面で育てる場合には菊芋どうしの間隔を最低1mは離してください。
それは菊芋が育ってくると半径50cmほど葉や茎を伸ばすためです。
また、菊芋はとても生命力が強く、他の植物の栄養を奪ってまで自らが成長しようとするので、他の作物や木の近くに植えないようにしましょう。
植える場所はなるべく日当たりのよいところがおすすめです。菊芋が日差しを好むのも大きな理由の一つですが、日当たりが悪いと土が湿りがちになるためおいしく作ることができません。地面で育てるにしろ、プランターで育てる場合のいずれもなるべく日当たりがよいところを選ぶようにしてください。
4月前後の春に菊芋を植えれば約2~3週間ほどで芽が出てきます。なお、元肥からさらに肥料を入れる必要はないので、植えたらあとは適度に水やりをしながら様子を見ていきましょう。 順調に育てば9月ごろには花が咲きます。花が咲き終わったら収穫の季節なので、それまでは育ち過ぎて邪魔になった葉茎を剪定しながら収穫がしやすいように準備をしておくとよいでしょう。
菊芋が育ってきたら支柱が必要?
菊芋はたくましいので支柱がなくても育ちます。しかし、2~3mほどの高さ(丈)まで育つため、支柱がないと地面一杯に菊芋の葉や茎が広がってしまうことも。さらに葉が茂ってくると根本の方に日光が当たらなくなるため、余裕があればぜひ支柱を使った方がよいでしょう。
台風をはじめ強風から守るためにも支柱は役立つので、支柱を立てて、茎を結んで固定しておいてください。
菊芋の収穫時期
菊芋の収穫時期は花が咲き終わった後、11月から3月にかけてです。気温が低下し、草木が枯れてきたら地上部は刈り取っておき収穫に備えましょう。菊芋を掘り起こす際にはスコップで塊茎(菊芋の部分)を傷つけないように丁寧に掘り出します。収穫時に塊茎が土の中に残っているとまたそこから育ってしまうため、塊茎を残さないように収穫しましょう。
なお、菊芋は保存がきかないので一度にたくさん収穫するのではなく、必要な分だけ収穫をしてください。もし収穫しすぎた場合は土の中に埋めておけばあるていど保存ができます。
大きくて美味しそうな菊芋は料理で楽しみ、小さい菊芋は翌年の種芋として活用するとよいでしょう。
菊芋を栽培するときの注意点
菊芋を栽培するときに最も気をつけていただきたいのは先にもお伝えしたように、他の作物と一緒に育てないことと、収穫の際には菊芋を土の中に残さないことです。菊芋は生命力がとても強く、野生の菊芋は特定外来種に認定されています。野生化してしまうと家庭菜園として収まらず、手が付けられなくなるため、くれぐれも責任をもって栽培・収穫をするようにしてください。
また、菊芋は連作に向いていません。同じく生命力がとても強いことが理由で、土地の養分を吸い尽くしてしまうからです。できれば1年ごとに植える場所を変えたり、プランターで栽培している場合は必ず土を替えるようおすすめします。もし連作をする場合は堆肥を与える工夫が必要です。ただし、最大でも連作するのは3年までにとどめておいてください。そうでないと土地が枯れてしまい、連作障害が起こります。一度土地が枯れてしまうと他の作物が育ちにくくなる他、菊芋の育ちも悪くなるので、ご注意ください。
ちなみに菊芋は、長期保存にはあまり向いていません。そこでせっかく収穫したときにおすすめな保存方法をまとめてみました。
※この記事は2020年01月29日に情報追記いたしました。 菊芋(キクイモ)の保存方法 この記事ではこれから菊芋を買おうとしている人が悩むポイントの一つ、「保存方法はどうすればいいの?」についてお伝えしていきます。 […]
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