菊芋の料理方法
テレビ番組や雑誌で菊芋が健康によいと注目されるようになってから、菊芋を調理してみようとする方が増えてきました。ですが、菊芋はスーパーで見かけることがとても少なく、最近は食べる機会がぐんと減っています。また、ジャガイモのようにでんぷん質が多くないため、いざ料理するとなるとどのように作ってよいのかがわかりにくい食材です。
今回は、菊芋を調理したことがない方でも下準備から実際の調理までの手順がわかるようお伝えしていきます。
菊芋はどんな料理に使えるのか?
馴染みのない菊芋ですが、実は案外いろいろな料理に使えるものです。菊芋は戦時中までの日本では主に漬物として食べられてきました。
漬物と聞くととても地味で食べたいと思わないかもしれませんが、最近では生食ならサラダや和え物としても食べられています。また、加熱をすれば煮物や汁物、揚げ物、シチュー、ポタージュ、ソテーなど様々な料理に変身するのです。他にも長野県や岐阜県の一部の地域では菊芋が味噌漬けや粕漬けなど郷土料理として、長年親しまれてきています。
世界に目を向けるとどうでしょうか。菊芋はドイツ、フランス、イタリアなどの国々でも親しまれており、街のスーパーや市場で購入できる地域もあります。現地では生食をする場合は日本でいうゴボウ感覚でサラダになることもありますし、バーニャカウダーとして食べられることも。他にもパスタの具材として使われたり、日本でいう漬物のピクルス、パンやクッキーに混ぜられることもあります。それに菊芋のピュレもあり、いろいろな料理に添えて使われることもあるのです。
料理に適した菊芋の選び方
【材料】
菊芋であればどのようなものでもよいかと言われればそうではありません。形が小さいものは味があまりよくないため料理には適していません。なるべく大きく、太さがあって丸みをおびている菊芋を選びましょう。なお、菊芋は保存できる期間があまり長くないため、必要以上に買い過ぎないようにしてください。
菊芋の自身の酵素によって分解され、大事な成分イヌリンが減ってしまいます。それでも栄養を少しでも残しずつ、保存したい場合はこちらの記事で詳しく書いていますので、ご確認ください。
また、菊芋は鮮度が落ちると水分が失われてやや柔らかくなるため、見た目や触った感覚で新しいか古いかを判断することができます。スーパーで菊芋を見かけた際には参考になさってください。
菊芋の下準備
菊芋の皮はとても薄いので、むかなくてもおいしく食べることができます。菊芋の皮には体にうれしい栄養がたくさんつまっているので、皮ごと食べる方が食物繊維やポリフェノールなどをしっかりとれるのです。ですが、皮をむく場合もあり、見た目をつるんと綺麗に見せたいときには下処理で皮をとってしまうこともあります。また、菊芋の皮にはアクがあるため、料理の内容や好みによって皮を取り除いてもよいでしょう。子供に食べさせるときに、皮は嫌われる傾向にあるので子供に食べさせたいときには皮をとってあげた方が喜んで食べるかもしれません。
では具体的な皮の向き方についてお伝えしていきます。
ある程度皮を残して食べたいときには菊芋のコブがある部分だけ皮を切り取ってください。土がついているところは食感が悪くなるため同じく取り除いて構いません。
菊芋の皮はあまり固くはないため、流水にさらしながらタワシでゴシゴシとこすると皮はむけていきます。もし、見た目を綺麗にしたい場合には包丁や小さなナイフを使って皮をむいてください。
どうしてもタワシや包丁では皮をむきにくいと感じたら菊芋を軽く茹でてから手で皮をむくのもよいでしょう。湯がいているため皮が柔らかくなって簡単にむけるようになりますよ。ただし、湯がいた直後は菊芋が熱くなっているためやけどをしないように、少し冷ますか冷水をかけてからむいてください。
なお、皮をむいた菊芋は急激な早さで変色していくので、なるべく早めに調理を進めるように心がけましょう。また、切り口が赤く変色することがありますが、菊芋に含まれるポリフェノールによる変色のため気にしないでください。
菊芋をおいしく食べられるレシピ
菊芋のきんぴら
用意するもの
- 菊芋 2~3個
- ニンジン 2分の1本
- みりん おおさじ1
- 酒 大さじ1
- 砂糖 おおさじ1
- 醤油 大さじ1~2
- ごま油 大さじ半分
- ごま お好みで
- 唐辛子 お好みで
皮をむいた菊芋とニンジンを千切りにする。(少し太めがおすすめ)
菊芋は水にしばらくつけてアクを抜く。
菊芋とニンジンの水気を切っておく。
フライパンにごま油を入れて菊芋とニンジンを炒める。
食材に火が通りごま油が馴染んできたら酒を入れる。
しばらく加熱したらみりんと砂糖を入れる。
さらに炒めたら醤油を入れる。焦がさないように注意。 最後にお好みで唐辛子を入れて水分がなくなるまで炒める。 ごまをお好みの量加えて完成♪
シャキシャキとした食感がとてもおいしいのでぜひ作ってみてください。
菊芋のペペロンチーノ
用意するもの(二人前)
- 菊芋 3~4個
- パスタ 200g
- パセリ 少量
- 唐辛子 1本
- ニンニク 2片
- オリーブオイル 適量
- 塩コショウ 適量
皮をむいた菊芋を薄くスライスし、水に10分ほど浸しておく。
アクを抜いている間にパスタを茹でる。
フライパンにオリーブオイルをしき、唐辛子とニンニクを炒める。
ニンニクを焦がさないよう弱火で炒めるのがコツ。
ニンニクがきつね色になってきたら菊芋を入れ、一緒に炒める。
菊芋の透明感が出てきたらパスタを入れ、炒める。(パスタのゆで汁を100ml弱あわせて炒めるとなおよい)
水分が飛んできたら塩コショウで味付けし、オリーブオイルを適量加えて完成。
糖が多いパスタも菊芋と一緒に食べることでよりヘルシーに。パスタ好きな方にはおすすめのレシピです。