薬剤師が教えるダイエット向きなサプリメント&簡単ダイエット方法

現在、ダイエットをサポートしてくれる様々なサプリメントが販売されていますが、その種類は様々で、作用効果が大きく異なっています。そのため、普段の生活スタイルや目的にあったサプリメントを選ぶことが、効果的・効率的にダイエットを行うために重要となっていきます。

それぞれのダイエットサプリメントの特徴や効果、代表的な栄養素、摂取や購入における注意点などを確認し、サプリメント選びの参考にしていきましょう。また、健康的なダイエットを行うための食事方法や運動も紹介していきます。

ダイエットサプリメントの種類

まず、ダイエットサプリメントは大きく分けて「カロリーカット系」「脂肪燃焼系」「腸内環境改善系」の3種類に分類されます。

3種類のサプリメント

カロリーカット系サプリメントは、摂取カロリーを抑える効果が期待できるサプリメントで、主に体脂肪を作る2大原料である糖質や脂質の吸収を抑える作用を有する成分が配合されています。代表的な成分として、糖質の吸収を抑えるギムネマ・サラシア・桑の葉・白いんげん豆・ターミナリアリリカ・難消化性デキストリン、脂質の吸収を抑えるキトサン・α-シクロデキストリンなどがあります。

ごはん・パン・スイーツ・揚げ物などの糖質・脂質の多い食事に偏りがちな方にもおすすめになります。

ただ、過剰摂取や過度な食事制限、治療薬(糖尿病薬・脂質異常症治療薬など)との併用などにより、低血糖症状 (めまい・倦怠感・疲労感など)や脂質不足 (肌荒れ・便秘など)を引き起こす恐れもあるため注意が必要になります。また、効果としてカロリーカットを有するものの中には、いわゆる“痩せ薬”として販売されている海外医薬品もあります。それら有効成分は医療用医薬品成分で、副作用リスクも高く、国内では承認されていないものも多いため、安易な購入は避けるようにしましょう。

 

脂肪燃焼系サプリメントは、消費カロリーを高める効果が期待できるサプリメントで、主に体脂肪を燃焼しエネルギーとして消費されるのを促進する成分が配合されています。代表的な成分として、カプサイシン・カフェイン・カルニチン・コエンザイムQ10・カテキン・BCAA・α-リポ酸・ラクトフェリンなどがあります。

基礎代謝の低下を感じる方、日常生活(通勤・買い物・入浴など)や運動でのダイエット効果を高めたい方などにおすすめになります。

ただ、健康系・美容系・スポーツ系のサプリメントや身近な食品にも含まれている成分も多く、他のサプリメントとの併用で過剰摂取の恐れもあるため、配合成分やその摂取量には注意が必要になります。

 

腸内環境改善系サプリメントは、腸内環境を整え腸内細菌の働きを活性化することで太りにくい体質に傾ける効果が期待できるサプリメントで、主に余剰なカロリー摂取の原因にある便秘の解消・栄養素吸収効率の向上などにより新陳代謝・免疫力アップを高める成分が配合されています。代表的な成分として乳酸菌・ビフィズス菌・オリゴ糖・食物繊維・酵素などがあります。

ダイエットのみならず健康・美容など総合的に効果が期待できるため、身体の内側から変えていきたい方、美しく痩せたい方などにおすすめになります。また、食事制限(糖質カットなど)を行っているとなりがちな便秘の予防・改善にもなるため、ダイエットをストレスなく行うためのサポートの役割も果たしてくれます。

ただ、過剰摂取は下痢や腹部膨満などを引き起こす恐れもあり、近年ビフィズス菌入りの食品など身近に多くあるため、摂取量には注意が必要になります。

そんな腸内環境改善系で現在注目されているのが菊芋サプリメントです。主成分である食物繊維イヌリンが非常に高い腸内環境改善効果があり、さらに糖質の吸収を穏やかにするカロリーカットの効果もあることから、そのダブル効果で高いダイエット効果が期待できると話題となっています。

 

これらのサプリメントの特徴をしっかりと把握し、自分が取り組む・求めるダイエット法に組み合わせ活かすことが重要になっていきます。

しかし、いくら上記のようにダイエットに効果的なサプリメントを摂取していても、生活習慣が乱れていてはその効果も無意味になってしまいます。ダイエットを行う上で基本となる適切な食事と運動も取り入れていきましょう。

肉や野菜

まず食事は1日3食規則正しい摂取を心がけた上で、肉や魚・豆類などのタンパク質を積極的に取り入れる食事を心がけましょう。タンパク質は筋肉量の維持に欠かせない栄養素で、しっかりとした量を摂取していれば代謝の低下を防止することができます。

また、近年ダイエット食の主流である糖質制限も、体脂肪の原因である糖質をカットし、体脂肪のエネルギー変換効率を高めるため非常に効果的です。しかし、単に糖質を控えるのではなく、普段の食事のごはんやパンの糖質の1部をタンパク質に置き換え摂取栄養素のタンパク質比率を高めることが正しい糖質制限ダイエットになりますので注意しましょう。

 

運動は筋力トレーニングをできる限り行いましょう。筋肉を大きくすることで基礎代謝が高まるため、太りにくい身体になり、例え暴飲暴食したとしてもリバウンドすることもなくなります。また、筋肉を動かすことは血中の糖質をエネルギーとするため、肥満予防になるだけではなく、糖尿病をはじめ生活習慣病予防にも有効です。

胸・背中・脚などヒトの身体の中でも大きな筋肉を中心に鍛えるとより効果的になるため、腕立て伏せ・懸垂・スクワットなど自宅で出来るトレーニングから始めていきましょう。また、有酸素運動を行う場合は、筋力トレーニング後に行うと脂肪燃焼効率が高まるため、より効果的になります。

 

初めから全てを取り入れる必要はありません。サプリメントも食事制限も運動も、最も大切なことは継続になります。出来ること・継続できることを少しずつ増やしていき、“少しだけ無理しながら”取り組んでいきましょう。