血糖値は食後が一番上がりやすく、食後に高血糖の状態が続くと糖尿病や動脈硬化、癌などの病気を招いてしまいます。これらの病気を防ぐためにも食後の血糖値を上げにくくする食べ方をご紹介します。
インスリンとは
血糖値を気にするようになると、情報としてよく目にするのが『インスリン』です。このインスリンは、すい臓から分泌されるホルモンの一種で血液中の糖を肝臓などの細胞に取り込んでエネルギーに変える働きがあります。インスリンが分泌されると血糖値が下がるのです。
インスリンが過多になる人
お腹が空くと勢いよく食べてしまいがちです。そうするとインスリンもドバッと大量に出て一気に糖を回収します。そうなると血糖値は一気に下がり、食べて間もないのにお腹が空いたと感じてしまい、間食の原因にも。このサイクルが続くと脂肪としてエネルギーを溜め込み、肥満の原因になってしまうのです。
インスリンが出にくい人
インスリンが出にくくなったり、インスリンが出てもうまく働いてくれなくなると、糖が回収されず、血液中の糖が過多になり高血糖の状態が長く続いてしまいます。これは糖尿病予備軍や糖尿病初期の患者に多く出る症状です。空腹時に行う病院での検査では結果が出にくく『隠れ糖尿病』と呼ばれることもあります。糖尿病じゃないけれど、食後にぐったりするほど眠くなる方は注意しましょう。
血糖値の上がりにくい食事のとり方
インスリンが出すぎたり、少なかったり、受け付けなかったりと症状はさまざまですが、食事の仕方や食べ物を工夫するだけで食後の高血糖を抑えることができるのです。
炭水化物と言っても、白米よりも玄米、精白パンよりも全粒粉パンの方が糖の吸収を抑えられるというのは、なんとなくでもテレビなどで、ご存知かもしれません。これはGI値の数値に関係しています。
GI値って?
GI値とはグリセミック指数の略で、炭水化物が糖に変わるまでの速さの指数を数値で表したものです。GI値が低ければ低いほど体に取り込んだときにゆっくりと糖に変わるため、血糖値の上昇を抑えてくれるのです。食事をするときにカロリーの他に気にするべきなのがこのGI値です。
野菜はGI値が低いものが多いですが、じゃがいもなどの芋類やかぼちゃなどは炭水化物が多くGI値が高い食品です。菊芋は芋と呼ばれていますが、正確には芋ではなくゴボウの仲間に入りGI値がとても低い食品です。
例えば、GI値を意識しながら献立を考える場合、パンをメインとして考えた時の例が上の図になります。似たような献立でもGI値の高いもの同士、低いもの同士の組み合わせで献立が作れます。
ただし、血糖値が気になりすぎてGI値が低いものばかり選んでいるとエネルギー不足になります。またGI値が低い食品でも食べ過ぎてしまえば肥満の原因になりますので気をつけましょう。
GI値の低い食品を上手に取り入れてバランスの良い食事を心がけましょう。
食事の時に気をつけること
GI値の他にも、ちょっとした気遣いで血糖値を上げにくくする方法があります。
・食前にコップ一杯の水を飲む
食事の前にお水を飲むことで血中の濃度を下げます。また、満腹感が出やすくなります。
・野菜や海藻などからとり、ご飯は最後にする
食物繊維を先に取り入れることで糖の吸収を抑えます。
・よく噛んで食べる
一口30噛み。よく噛んで食べれば満腹中枢が刺激され、食べ過ぎ、早食いの防止になります。GI値の低い玄米などを取り入れるとより効果的です。
・三食決まった時間に食べ、食事のバランスも整える
決まった時間にとることでインスリンの分泌リズムを整え暴飲暴食の防止にもなります。
菊芋のサプリメントも効果的
食事の30分前に菊芋のサプリメントをとるのもオススメです。菊芋は食べるインスリンと呼ばれています。イヌリンが糖の吸収を抑えてくれる上、疲れたすい臓の負担を軽減してくれます。