どう選ぶ?糖尿病患者さんの最適な食事メニュー選び

糖尿病の方向け!食事メニュー

糖尿病の食事療法は難しい?

糖尿病と診断され治療に励んでいる方や、健康診断で血糖値が少し高いと指摘された方の中には、毎日の食事に気を使い、メニュー選びに頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。自分に必要なエネルギーや栄養の量を聞いても、なかなか毎日細かく栄養価計算をして食事を作ったり食べたりすることは難しいものです。

あまりに難しいことや手間のかかることは、はじめは良くてもだんだんと面倒になり、なかなか続けることが難しいですよね。しかし、糖尿病の食事療法は長期戦。続けることが何よりも大切です。

そこでこの記事では、糖尿病の方がより簡単に食事療法を続けられるための、日々のメニュー選びについて細かくみていきたいと思います。

糖尿病の食事療法の始め方

糖尿病の治療において、食事療法は大きなウエイトを占めています。とはいえ、食事は毎日の楽しみであったり、ストレス発散の場になっていたり、わかってはいても食習慣を変えることは難しいものです。どうすればストレスが少なく食事療法を続けられるでしょうか。そのためには、徐々に今までの食習慣を変えていく必要があります。

ステップ1:1日3回の食事を食べる

糖尿病の食事療法で1番大切なことは「1日3回の食事を食べること」です。食事療法のスタートは1日の食事の回数を3回にすることです。間食や夜食の習慣がある人は、少しずつ量や回数を減らし、3回の食事で済むように心がけていきましょう。反対に朝食抜きなど1日に2回の食習慣の人も何か1品、朝ご飯の時間に食べるように心がけ1日3回の食事になるように変えていきましょう。1日に3回の食事をとることでホルモンの分泌リズムが整い、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌も促されます。

ステップ2:バランスよく食べる

1日の食事の回数が3回になれば、食事療法の第2ステップに進みましょう。それは「バランスよく食べること」です。毎回の食事で主食(ごはんかパンか麺)、主菜(肉か魚か卵か豆)、副菜(野菜、キノコ、海藻)を取りそろえるように意識するとバランスの良い食事をとることができます。

ステップ3:控えるべきものをきっちり控える

揚げ物

糖尿病の方が1番恐れていることは合併症ではないでしょうか。糖尿病の3大合併症は、網膜症(目が見えにくくなる)、神経症(手や足の神経のマヒ)、腎症(腎機能の低下)です。これらの3大合併症は、糖尿病の状態に高血圧や脂質異常症などが合わさるとより起こりやすくなるといわれています。ですので、合併症を防ぐためには、血糖値だけではなく血圧や血中の脂質の量も正常値に保つ必要があると言えます。

そのために控えた方が良いものは、塩分と脂質です。塩分の多い漬物、汁物、単品料理(ラーメン、どんぶりなど)や、脂質の多い揚げ物、スナック菓子、洋菓子、マヨネーズやバターなどの油脂性調味料などは控えた方が賢明だと言えそうです。

ステップ4:適量を守る

脂質の多い食品は同時に高カロリーで、塩分の多い食事はごはんが進みやすく食べすぎになる可能性も上がってしまいます。ですので、ステップ3でしっかりと塩分と脂質の多い食材を控えられれば、かなりのカロリーカットができるはずです。

過度に食事を減らしすぎると、食事と食事の間でお腹がすき、せっかくやめた間食が復活してしまったり、反動による爆食いをしてしまったり、ストレスがたまってしまったり…と悪い影響もでてくる場合があります。必ず、医師の指示エネルギーを守り、管理栄養士の栄養指導を受け、主食や主菜の量を守るようにしましょう。

ステップ5:しっかり摂るべき食材を摂る

糖尿病の食事療法をしていても、何もかも控えればいいわけではありません。糖尿病の方にしっかり摂っていただきたい栄養は、食物繊維とビタミン、ミネラルです。そのために、野菜、キノコ、海藻は毎食しっかりと摂るようにしましょう。

とくに水溶性の食物繊維をしっかりと摂ることにより、インスリンの分泌も促されますので、しっかりと摂りましょう。中でも特におすすめな食材が菊芋で水溶性食物繊維が豊富に含まれています。毎日の食事に取り入れていただきたいですが、旬の季節以外ではなかなか目にする機会がありませんので、手軽に摂れるサプリメントもおすすめです。

どう組み立てる?毎日の家庭での献立

バランスのいい食事

では、これらの糖尿病食事療法のポイントを踏まえ、家庭ではどのように献立を立てていけばよいでしょうか。

まず、時間のない人が多いであろう朝食です。朝食から主食、主菜、副菜を取りそろえバランスよく食べている人は少ないのではないでしょうか。朝食で簡単にバランスよく食べるには、夕食のおかずを残して置いたり、一品でそれらが補える炊き込みご飯やサンドイッチを食べることがおすすめです。

昼食は仕事に出ていたり、家事の合間に手軽に済ませる人が多く、麺類やどんぶりなどの単品料理になる人が多いのではないでしょうか。単品料理で不足しがちなのは野菜です。麺類であればきつねうどんより鍋焼きうどんや五目うどんにしたり、どんぶりであれば親子丼よりも中華丼にしたりと、できるだけ野菜をたくさん摂れるように心がけましょう。

夕食は1日の食事に足りなかったものを補う食事です。朝食と昼食を思い返し、自分に足りない栄養を補えるよう考えて食べましょう。なかなか朝食が進まない人は、夕食の食べすぎの場合がありますので、夕食を控えめにしてみましょう。とはいえ、主食抜きなどのバランスの悪い食事は食事療法を乱す原因になりますので注意が必要です。

どう選ぶ?外食するときのメニュー選び

近頃の飲食チェーン店では、エネルギーや糖質、脂質、塩分など栄養素の情報がメニューに示されている場合が多くあります。糖尿病の方が外食をする場合、とても参考になる情報ですので、ぜひ活用してみてください。

栄養素の情報が載っていない場合は、できるだけ摂るべき栄養(食物繊維、ビタミン、ミネラル)が多く、控えるべき栄養(塩分、脂質)の少ないメニューを選ぶとよいでしょう。

具体的に言えば、同じ麺類ならうどんよりそば。同じそばなら天ぷらそばより山菜そば。といった具合です。また、選べるなら単品料理より定食を選び、自分に合った量だけ食べることがおすすめです。

コンビニ飯なら何を選ぶのが正解?

時間がない人や、料理が苦手な人にとって、コンビニはかなりの便利ツールではないでしょうか。近頃は世間の健康志向の影響か、コンビニでも手軽にバランスの良い食事を手に入れることができるようになってきました。

例えば、白ご飯と焼きサバと煮物。といった純和風な献立や、おにぎりと炒め物とサラダ。といった野菜たっぷりの献立もコンビニで手に入ります。コンビニで食事の調達をする場合は、ほとんど野菜の入っていないお弁当は避け、単品でバランスよく選択することが賢明です。

まとめ

ここまで、糖尿病の食事療法の進め方や、継続するためのメニューの選び方について述べてきましたが、いかがだったでしょうか。糖尿病の食事療法で大切なことは継続することです。決して無理な我慢はせず、できることから始めてみてはいかがでしょうか。