菊芋とカロリー
近ごろ菊芋に含まれるイヌリンに注目が集まっていますが、実は低カロリー食材としても徐々に認知され始めています。カロリーのとりすぎはよくないという認識は一般的で、日ごろから低カロリーを心がけている方のためにこの記事ではなぜ低カロリー食材がいいのか、菊芋はどれくらい低カロリーなのかについてお伝えしていきます。
現代人はカロリーのとりすぎ
そもそも現代人はカロリーのとりすぎです。一日三食食べることは規則正しい生活のために必須ですが、食事の内容が昔と変わってしまったため、どうしてもカロリーオーバーになりがちに。例えばやや極端ですが朝は食べやすい調理パン、昼は揚げ物、夜はお肉をがっつり食べてお酒を飲むといった内容の食事は明らかにカロリー過多です。
ただ、わかっていても止められないのは高カロリーな食事がおいしくて満足感が得られやすいからですよね。ある程度食事を楽しむのは必要ですがいつも高カロリーな食べ物ばかりではいつか体調を崩してしまいます。それにカロリーばかりとっていると太ってしまい、健康を害し、外見も悪くなるので良いことはありません。
なので、自分の体型や体調に関心のある方は菊芋をはじめとした低カロリーな食材をうまく使いながら食事を整える必要があるのです。
菊芋のような低カロリー食材の何がいいのか
菊芋や葉野菜などの低カロリー食材の何がいいのでしょうか。それは低カロリー食材だと1日の摂取カロリーは減らしつつも、たくさん食べられるからです。もし高カロリーな食材で1日の摂取カロリーを低く抑えようと思うと満足できるほどの量を食べられません。しかも少し油断してドカ食いしてしまうと一気にカロリーオーバーしてしまいます。
逆に低カロリー食材の代表として菊芋を例に挙げて考えてみると、もし菊芋を数百グラム食べたとしても揚げ物100gのカロリー以下です。さすがに菊芋だけでお腹をいっぱいにすることはないと思いますが、それだけ菊芋のような低カロリー食材は量を食べられます。
つまり、食事の一部を低カロリー食材に置き換えることによって食事全体のカロリーは抑えつつも満足感のある食事になるのです。
もしあなたが健康や体重を気にしているのなら菊芋をはじめとした低カロリー食材はとても心強い味方になってくれるかもしれません。
菊芋はどれくらい低カロリーなのか
菊芋(100g) | 35kcal | 糖質12.8g |
ジャガイモ(100g) | 76kcal | 糖質16.3g |
さつまいも(100g) | 134kcal | 糖質29.7g |
ヤマイモ(100g) | 65kcal | 糖質12.9g |
カボチャ(100g) | 91kcal | 糖質17.1 |
春雨(100g) | 80kcal | 糖質19.1g |
では、なぜ菊芋がこんなに低カロリー・低糖質なのかというと、理由は二つ。ひとつはとても水分が多いからです。水には全くカロリーがないので(0kcal)いくら飲んでも太りません。野菜や果物に含まれる水分も通常の水と同じで、いくらとってもカロリーはゼロ。菊芋の8割は水分であるため、自然とカロリーは低くなります。
菊芋が低カロリーなふたつめの理由はイヌリンが豊富だから。生の菊芋なら水分を除いた成分のうち約20%がイヌリンで構成されています。イヌリンは体に吸収されないのでカロリーはゼロ。もし乾燥させて粉末状にすれば成分の6割近くがイヌリンなのでサプリメント状になっても低カロリーです。
通常、芋類であれば光合成してできた糖(グルコース)はデンプンとなって蓄えられますが、菊芋の場合はデンプンではなくイヌリンとして根に蓄えられます。その結果、デンプン質が少なく、イヌリンが多くなり、低カロリー・低糖質になるのです。
菊芋の低カロリーを活かすための調理方法
調理方法を工夫すると、低カロリーな菊芋を活かすことができます。まず、菊芋を最もシンプルかつ低カロリーに調理するなら生がおすすめです。菊芋を生の状態で食べれば余計な油を使う必要がないので必然的に低カロリーな料理ができあがります。食感はシャキシャキとみずみずしいので、サラダにはぴったり。他の葉野菜や緑黄色野菜と一緒に食べれば食物繊維やビタミンたっぷりのおいしいサラダができますよ。菊芋の皮はとても薄いのでそのまま食べられますが、アクがあるので気になる方は皮をむいて食べてください。
菊芋を煮物やスープに入れるのもおすすめです。「煮る」という調理方法はあまり油を使わないため低カロリーな料理を作るのに適しています。煮物なら生の菊芋だけでなく乾燥菊芋も使えるので、旬の季節以外に菊芋を食べたいときにはおすすめの調理方法です。
菊芋ならたくさん食べても低カロリーなので生・煮るなどの調理方法であればカロリーをあまり気にすることなく料理を楽しめます。
菊芋を食べる・調理するときに気をつけるべきこと
低カロリーが魅力の菊芋でもこれからお伝えする2つのポイントを守らなければ台無しになってしまいます。必ずよくご覧になって菊芋の良さを失わせないようにしましょう。
ポイント1:菊芋は揚げない
低カロリーな料理を作りたい方は菊芋はなるべく揚げないようにしましょう。もちろん菊芋を揚げた料理はありますし、食事を楽しむといった点では問題ありません。しかし、カロリーを低く抑えようと思うと揚げるという調理方法はなるべく避けるべきなのです。
例えばジャガイモは100gで76kcal、糖質は16.3gだとご紹介しましたが、フライドポテトになるとどうでしょうか。フライドポテトなら100gで237kcal、糖質は31gになります。
同じジャガイモでも揚げるだけでカロリーは3倍以上にも跳ね上がるのです。
これは菊芋についても同じで低カロリーでも揚げれば高カロリーになるのは間違いありません。低カロリーな菊芋を食べたいのなら揚げない方がよいでしょう。
ポイント2:食べ過ぎてはいけない
菊芋は低カロリーでイヌリンを豊富に含んでいるので、食後血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。ですが、いくら食後血糖値の上昇を抑えてくれるといっても全体的な食事量が多く、カロリーをとりすぎていれば元も子もありません。
菊芋を食卓に加えても揚げ物や油の多い肉、大量の炭水化物を食べていれば意味がないのはわかりますよね。低カロリーで優秀な食材である菊芋を活かすためには全体的な食事の見直しが必要なのです。