糖尿病や中性脂肪の改善に有効だと言われ、各方面から注目されている菊芋。けれども菊芋の真価はそれだけに留まりません。知れば知るほど驚かされる菊芋パワー、改めて検証してみました。
水溶性食物繊維「イヌリン」のすごいところ
菊芋(キクイモ)と言えば最も注目されているのがイヌリン。血糖値を抑制してくれることから天然のインスリンと言われるイヌリンは、水溶性の食物繊維です。
食物繊維には不溶性と水溶性の二つがあり、どちらも人の消化酵素では消化することができません。小麦やキノコ類や海藻などに含まれる水に溶けにくい「不溶性食物繊維」は、胃や腸で水分を吸収して膨らむことで、便の量を増やし便通をよくします。
果物に含まれるペクチンに代表される水に溶けやすい「水溶性食物繊維」は、水に溶けると粘り気のあるゼリー状になり胃から腸へとゆっくり移動します。その間に余分な糖を包み込み体外に排出させることで、食後の血糖値の上昇を抑えてくれます。またコレステロールを吸着し体外に排出するため、血中のコレステロール値も低下させます。さらにナトリウムを排出する効果もあるので、高血圧を予防する効果もあります。
菊芋が糖尿病にいい、中性脂肪をはじめとする脂質異常にいい、血圧や肥満にもいいと言われる理由は、この水溶性食物繊維であるイヌリンを豊富に含んでいるからです。イヌリン効果を感じてみてください。
体をさまざまな面で支えてくれる菊芋パワー
菊芋には生の状態で15%前後の含有量を誇る水溶性食物繊維のイヌリンを筆頭に、必須アミノ酸、ミネラル、ポリフェノール、セレン、ビタミン、酵素が絶妙なバランスで含まれています。イヌリン含有量は、ごぼうよりキクイモの方が高くなっています。
必須アミノ酸
筋肉、内臓、骨、血液、皮膚……のもとになるタンパク質ですが、人の体には約10万種類ものタンパク質があり、それがたった20種類のアミノ酸からできています。そのうち体内で合成できないため、食物などで摂る必要のあるものが必須アミノ酸。菊芋には必須アミノ酸も豊富に含まれています。
ミネラル
カリウム、カルシウム、、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルは菊芋の成分の7%にあたります。イヌリンはミネラルを吸収しやすくする作用があり、菊芋はイヌリンもミネラルも含んでいるため、ダブルで摂取することができます。
カリウム:ナトリウム(塩分)を排出してくれるため、高血圧に効果あるほか、筋肉にとっても欠かせないものです。
カルシウム・マグネシウム:骨や歯を作るのに欠かせないもので、骨粗鬆症予防にも深く関わっています。
亜鉛:インスリンの分泌を促すほか、老化やがんの原因ともされる活性酸素を、それができる前段階で抑制してくれます。
ポリフェノール、セレン
ともに老化防止に有益な抗酸化作用があります。体内にできてしまた活性酸素を直接分解してくれます。
ビタミン
人が生きていくために必要不可欠な三大栄養素の脂肪・糖質・タンパク質の代謝を助ける働きをします。エネルギーにはなりませんが、ビタミンがないと体がスムーズに機能しません。
酵素
食物の消化吸収や代謝など、生命維持のために必要不可欠な物質。例えば、木材を筆頭に家を建てる際の材料がタンパク質や脂肪とするなら、それを使って家を組み立てる大工さんなどの職人が酵素。そして職人さんと協力して作業に当たるのがビタミンです。
日々の生活に取り入れるにはお茶やサプリメントが便利
これだけ栄養豊富な菊芋は積極的に日常生活のなかで摂りたいもの。生食、加熱調理にも向いている食材なので日々の食卓に取り入れることも十分可能です。ところが残念ながら収穫時期が11~3月と限定されているため、1年を通して手に入れるのはなかなか大変。そのため収穫期に入手したら乾燥菊芋にしたり、それをパウダーにしたりと、ひと手間かけねばなりません。
ただ最近はお茶やサプリメントをはじめ、手軽に菊芋を摂ることもできるようになりました。
生活習慣病や腸内環境を改善し、健康になるためには継続することが重要ですので、ぜひそうしたものを用いて菊芋を摂るようにしてみてはいかがでしょうか。
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内科医に菊芋を語っていただきました。
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