看護師が伝授!糖尿病の対策方法〜生活習慣から見直そう〜

炭水化物

成人している人の5人に1人は糖尿病もしくは糖尿病予備軍であることを知っていますか?

将来、「自分も糖尿病になるんじゃないか?」と不安になりますよね。
糖尿病は初期症状はほとんどなく、健康診断や病院の検査で指摘されて気づく人がほとんどです。

糖尿病といえば、中年で肥満型の男性がなるイメージですが最近では、20〜30代の痩せ型の女性にも増えてきているのが現状です。

糖尿病は、段階を踏んで悪化していく病気であり、予防がとても大切になります。

この記事では、「糖尿病の種類」について解説し、さらには糖尿病の対策方法として「生活習慣の見直し」について紹介していきます。

糖尿病のことについて知り、その上で自分自身の生活習慣と照らし合わせ、将来の健康のために行動するきっかけになればいいなと思います。

糖尿病の種類:Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病

糖尿病にも種類があるのを知っていますか?

Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病の2種類がありますが、一般的に生活習慣が原因となる糖尿病は「Ⅱ型糖尿病」になります。

それぞれの症状と原因など特徴は異なるので、違いについて紹介していきます。

【糖尿病関係の用語説明】
・糖尿病…インスリンがうまく働かなくなり、慢性的に血糖値が高くなる病気
・血糖値…血液中に含まれるブドウ糖の濃度のこと。食前は70〜100mg/dLが正常
・インスリン…血糖値を下げるホルモン
・ブドウ糖…体を動かすエネルギー源

Ⅰ型糖尿病について

Ⅰ型糖尿病は、糖尿病全体の約5%です。
やせ型で若年者になりやすいなどⅡ型糖尿病とは、違う特徴があります。
簡単にⅠ型糖尿病の特徴について紹介していきましょう。

  • 発症年齢:25歳以下の若年者に多い
  • 発症の特徴:急激に症状が出現する
  • 体型:やせ型体型が多い
  • 原因:自己免疫反応の異常やウイルス感染により、すい臓のランゲルハンス島β細胞を自分で攻撃してしまい、インスリンを出す機能を壊してしまう
  • 家族歴( 患者の家族や近親者の病歴、健康状態):関係なし
  • 症状:口渇(口が渇く)・多飲(1日2L以上)・多尿(2500ml以上/日)
  • 治療:インスリンが正常に分泌されないため治療はインスリン療法(インスリン注射)になります。

Ⅱ型糖尿病について

Ⅱ型糖尿病は、糖尿病全体の約95%です。
一般的に知られている糖尿病は、「Ⅱ型糖尿病」と呼ばれるほうで、生活習慣が原因となると言われています。
簡単にⅡ型糖尿病の特徴について紹介していきます。

  • 発症年齢:成人〜中高年者(学童期も増加傾向)
  • 発症の特徴:生活習慣の乱れからゆっくり進行進行
  • 体型:肥満体型が多い
  • 原因:遺伝的要因や生活習慣(肥満・運動不足等)により、インスリンが分泌されにくくなること
  • 家族歴( 患者の家族や近親者の病歴、健康状態):関係あり
  • 症状:初期は無症状
  • 治療:食事療法・運動療法・薬物療法

糖尿病の予防・対策には、「運動と食事」

糖尿病の予防には、運動と食事が重要です。
(ここでいう糖尿病はⅡ型糖尿病です)

仕事や生活に忙しく、ついつい後回しにしがちですが糖尿病は一度なると一生付き合っていく可能性が高い病気です。
あらかじめ予防していくことがとても大切なので、ぜひ運動と食事を見直してみてください。

今回は、忙しくても簡単に日常に取り入れることのできる方法を紹介していきます。

日常で取り入れられる運動編

運動

そもそもⅡ型糖尿病の原因は、肥満や運動不足などの生活習慣によるものです。
原因である運動不足を取り除き、肥満の予防をすることが「運動の習慣化」により有効です。

まず、運動をすることで大量のエネルギーを筋肉で消費することができます。
特に、食後1時間ごろに運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促されて血糖値が下がるというデータもあります。

食後血糖の過度な上昇を抑えることで、インスリン分泌も緩やかすることができ、すい臓の疲弊も抑えることができます。

さらに運動を毎日続けていると筋肉の活動量が上がることで、悪かったインスリンの働きも改善することができます。

【糖尿病予防と対策のための運動ポイント】

  • 消費エネルギーは160~240kcalを目安に
  • 楽しく毎日継続できる運動をする
  • 運動頻度の目安は週3日、できれば毎日
  • 歩行運動なら1日1万歩チャレンジ
  • ゲーム感覚でやれる「ゴルフ」や「テニス」などを挑戦してみる
  • 通勤方法を変えてみる(車の場合、自転車にするなど)
  • エレベーターやエスカレーターではなく階段を利用

一気に運動をするのではなく、軽い運動からはじめ徐々に負荷をかけていくようにしましょう。
また、その日の体調に合わせて運動をはじめてみてくださいね。

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日常で取り入れられる食事編

現代の日本では、お腹をすかせてご飯に困るということはほとんどありませんよね。

まず、糖尿病で大切になるのが食事です。

いくら運動を一生懸命しても、摂取カロリーが多すぎたり糖質が多い状態だとなかなか良いものにはなりません。

運動と同時に日頃の食事も見直していきましょう。

【糖尿病予防と対策のための食事ポイント】

  • ゆるい糖質制限をする
  • 丼モノなどの単品メニューはやめる
  • 食べる順番は野菜から
  • 揚げ物や衣のついたものは控える
  • 喫煙、多量飲酒をやめる
  • 外食は和食や定食などバランスの取れた食事にする
  • 就寝3時間前は食事摂取しない

ゆるい糖質制限についてですが、間食のデザートやおやつをやめることだけでなく、日頃食べているコメ・パン・麺類といったものも糖質です。
主食をたくさん食べてしまう人は少し控えめに摂取するようにしましょう

若者に増えている「ペットボトル症候群」とは?

糖尿病は、中年の太った男性になりやすいと思われていますが、最近では、やせ型の若い女性でもなりやすいと言われています。

若い人が陥りやすく注意してほしいのが「ペットボトル症候群」です。

スイーツやパスタなどの糖質に偏った食生活をしているとインスリン分泌が過剰におこなわれている状態が続きます。やせて体力がなく、運動不足になると血液中のブドウ糖をエネルギーとして活用する能力が下がり(インスリン抵抗性の上昇)、血糖値が下がりにくくなります。

ペットボトル症候群とは、清涼飲料水には20〜30gほどのブドウ糖が入っており、また水分であるためとても吸収しやすい状態です。

急速にブドウ糖が吸収されることで、糖尿病が発症してしまう場合があります。

これが「ペットボトル症候群」です。

日常生活で取り入れられる対策方法は、飲み物をお茶や水にすることです。

糖尿病にはならないと思っているあなたもぜひ注意してみてくださいね。

まとめ

「糖尿病の種類」や「糖尿病対策の運動と食事」について紹介してきました。

糖尿病は、初期症状はほとんどなく、一度インスリン分泌が正常に働かなくなってしまうと元に戻すのはなかなか難しい病気です。

予防していくことがとても大切な病気ですが、その前に自分の体がどのような状態であるのか把握することもとても大切です。

定期的に健康診断を受けて、自分自身が「糖尿病」や「糖尿病予備軍」でないかを知ることから初めてみてください。

また、生活習慣の基本である「運動と食事」を見直してみてくださいね。