薬剤師がおすすめする菊芋サプリの選び方

菊芋

現在、世界中でスーパーフードとして注目されている菊芋。テレビや雑誌などで多く取り上げられるようになり、その知名度も高まってきています。

菊芋には、アミノ酸・ミネラル・ビタミン・酵素など様々な栄養素が含まれていますが、主成分はイヌリンと呼ばれる成分で、菊芋(乾燥物)の全成分の60%を占めているとされています。

イヌリンは水溶性食物繊維に分類され、腸内細菌を増やし腸内環境を整える作用があることから、便秘解消の効果が期待できます。また腸内環境の改善は、消化・吸収・代謝といった身体機能を高めることに繋がり、免疫力や抗酸化力の向上にも効果を発揮するため、風邪予防・疲労回復・アンチエイジングなどの健康や美容に必要不可欠な栄養素となっています。さらにイヌリンには、摂取した糖の吸収を穏やかにする作用や血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌を促進する作用が確認されていることから、糖尿病の予防・食事療法に効果が期待されており、菊芋は“天然のインスリン”とも呼ばれています。

そんな優れた効果を発揮する菊芋ですが、国内での収穫時期は11月から12月が一般的となっており、全国各地に産地はあるものの、まだまだ認知度が低いため、その生産は小規模なものとなっており、スーパーなどの店頭に生鮮食材として並ぶことは非常に稀になります。そのため、最も効率的に継続的に菊芋及びイヌリンを摂取するにはサプリメントが最適となります。実際に全国で栽培されている菊芋は健康食品・サプリメント等への加工を目的にしているものがほとんどであり、現在様々なメーカーから多くの菊芋サプリメントが販売されています。

では、数ある菊芋サプリメントの中から、どのような点に着目すれば自分に合った、より効果的な製品を選ぶことができるのでしょうか。いくつかの選ぶポイントを確認し、菊芋及びイヌリンの作用効果・特徴などによるおすすめや注意点なども解説していきましょう。 

 

1つ目はイヌリン以外に配合されている栄養成分も考慮し製品を選びましょう。

ビタミンやミネラル

イヌリンには腸内環境を整える作用によりビタミンやミネラルといった栄養素の吸収を高める効果があるため、同時に摂取した方が合理的です。糖代謝や腸の蠕動(ぜんどう)運動にも必要不可欠な栄養素であるため、菊芋サプリメントの効能である血糖値対策や便秘解消の効果も高めてくれます。

それら栄養素は菊芋にも含まれていますが十分な量ではないため、原料が菊芋のみではなく、その他の野菜なども使用され、栄養素がバランスよく配合されている製品の方がおすすめになります。

ただし、様々な栄養素が配合されていることで注意も必要になり、その他サプリメント・医薬品との併用により栄養素の過剰摂取や相互作用を起こすことで、体調を崩したり、治療薬の効果に影響を及ぼす恐れがあります。(例えば緑黄色野菜に多く含まれているマグネシウム・カリウムの過剰摂取は血圧降下作用を促す。ビタミンKは医療用医薬品の抗凝固薬ワーファリンへの拮抗作用※を有するなど)

拮抗作用…二つの要因が互いにその効果を打ち消し合うように働く作用

現在服用しているもの・これから服用を考えているものの配合成分も把握し、組み合わせや栄養素の適正摂取量などに注意することが重要になります。

 

2つ目は自分に合った剤形を選びましょう。

現在、菊芋サプリメントには錠剤タイプ・カプセルタイプ・水に溶かして飲む粉末タイプの製品が存在しています。サプリメントとして最も重要な要素は配合成分やその量ですが、長く継続するためには無理なく服用ができる剤形の選択も大切になります。また同じ剤形でも錠剤・カプセルでれば形状や大きさ、粉末であれば溶けやすさや味などが製品により大きく異なるため、製品概要はもちろんのこと、口コミやレビューなどもしっかりと確認しておきましょう。

サプリメントの役割を活かすならば、一定量を容易に摂取できる・仕事場や旅行先などへも手軽に携帯することができる錠剤タイプやカプセルタイプが適していますが、特に錠剤タイプは、粉末の圧縮成型により、他剤形と比較すると同体積で内容量を最も多く製造することができるため、粒も小さく飲みやすいものが多く、分割や粉砕することで摂取量を調節することもできるためおすすめです(効果・味・保存に影響する場合もあるため推進していない製品もあります)。ただ、主成分のイヌリンは腸内の水分をゲル化するため腸内水分が少ないと便秘の悪化や腹部膨満・腹痛などの副作用を引き起こしてしまう恐れがあるため、十分な水分と一緒に摂取することを心がけましょう。

 

3つ目は品質・安全性の高い製品を選びましょう。

サプリメントの種類

サプリメントは長期間服用することで効果を発揮するものであるため、その品質や安全性は無視できません。現在は、インターネットで製品や生産メーカー等の情報を容易に検索することができ、原料の産地や添加物の有無に加えて、製造地・製造工程なども公開している製品も多くあるため、しっかりと確認しておきましょう。

健康食品製造において、製造から出荷まで全ての過程で安全性が認められた製造工場には製造品質管理基準であるGMP(適正製造規範)が認定されているため、品質・安全性を確認する指標として知っておきましょう。

 

4つ目は菊芋サプリメント1日摂取量におけるイヌリン配合量を確認しましょう。

イヌリンの1日の摂取目安量は5g15g程度といわれています(食物繊維全体では男性20g以上・女性18g以上が摂取基準として推進されている)

菊芋以外にイヌリンが豊富に含まれている食材として、ごぼう(100gあたり約5g)、タマネギ(100gあたり約4g)、にんにく(100gあたり約12g)などもあり、普段の食事に加えて、摂取目安量を補える配合量の製品を選ぶとよいでしょう。

 

以上の事を参考にして、より効果の高いサプリメント選びを心がけていきましょう。

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